
音楽は人間の感情を通して心身に様々な作用をもたらします。
アントロポゾフィー音楽療法士は、聴くことや自ら演奏するなどの方法で病気や障害などの症状を軽減し、自己治癒力を高める療法です。一人ひとりの状態に応じて音楽の要素を選び、楽器や声などを用いて働きかけます。
この療法はアントロポゾフィー医学に基づき、医師と提携しながら、資格を持った音楽療法士によって行われます。
人智学(アントロポゾフィー)を提唱した思想家ルドルフ・シュタイナーと医師イタ・ヴェーグマンによって1920年代に確立された医学。その特徴は、現代医学を補完し、常に人間を身体・心・精神の全体として捉える医療を目指しています。
楽器はどれも自然の素材から作られたもので、響きの質を考慮しながら生命力や意識へ働きかけます。
メロディの要素をもたらし、意識を目覚めさせます。呼吸を整える作用があります。
ライアー(撥弦楽器)
美しく長い響きで、主に呼吸に働きかけます。症状の重い方のベッドサイドでの演奏にも使われます。
クロッタ(擦弦楽器)
低く深い響きを持ち、呼吸や新陳代謝に働きかけ、落ち着きをもたらします。
リズムを生み出し、意志の力に作用します。
金属楽器
(ゴング)
長い余韻を持ち、心身の深いところに作用します。
呼吸や感情に、直接働きかけます。
音楽の要素である「メロディー、ハーモニー、リズム・タクト(拍子)」は、人間の各部位の働きと呼応しており、「思考、感情、意志」のバランスを整えるよう導きます。
療法士の演奏を聴く、自らの楽器を鳴らす、歌うなどしながら響きの作用を通して働きかけます。
どの人にも内在する「聴く力」を引き出しながら、緊張や不安を和らげたり、自己調整力やコミュニケーション力を高めていきます。
音楽療法の対象者は幅広く、乳幼児期から終末期まで人生すべての段階の方々をサポートします。
音楽療法は、医師との連携により進められます。(難しい方はご相談ください。)
医師の診断と、療法を受ける方の状態に応じてセッションの形態を決めます。
― 個別療法 -
1対1で行う療法です。その方に必要なサポートを行います。
― グループ療法 -
病院・施設などの状況に応じて、グループでの療法を行います。音楽には人と人とを結びつけ、交流を促す働きがあります。
― 所要時間 -
子ども30分、大人60~90分
― 基本頻度 ―
1~4週間ごとに1回
※継続期間は個人により異なります。
― 費用 ―
4,000~7,000円/回